◆Sさんの物語 / なぜ挨拶は必要か(第127話) [人材育成]
◆「試合中」
酒好きの私。居酒屋大好きですが、「試合中」の札は初めてです\(◎o◎)/!
料理が丁寧。行きつけになりそうです(^o^) 大阪城付近にて。
こんにちは~<(_ _)>
私は営業という職種を生業としています。
その面白さのひとつは、いろいろな人々と“生”で触れ合うことです。
人は、それぞれの物語を持っています。
それを聴かせていただくこと。
それは何物にも代えられない“宝物”です。
ちなみに私は、聴くことを、お預かりすると表現しています。
昨日は、老舗IT企業のSさんたちと忘年会を行いました。
某往年の名俳優と名前の読みが同じのSさん。
社内でも人望厚き方です。
去る11月にご長男がご結婚されたとのこと!
おめでとうございます\(^o^)/
28歳。
お嫁さんも同い年で、8年越しの愛を実らせたそうです。
「その間、離れた時期もあったようだが…」
「何せ、結婚式の親なんて初めてなもんですから、もうてんやわんやで…」
感慨深く目を細める表情には、ひとつの仕事をし終わった満足感があふれておりました。
私も幸せのお裾分けを頂戴しました。
Sさんはアートにも造詣が深いのです。
来年、定年を迎えるとのことですが、今、ギターを習い始めたとのこと。
そんな話を伺えば、「若さとは、実年齢ではなく、今、何をしているのか、これから何をやろうかとワクワクする心である」ことを、身を以て教えていただきました。
今回は、Sさんからお預かりした物語をご紹介します。
Sさんは心臓に障害をお持ちです。
心房中隔欠損症。
実は、私の甥、仕事を下さる会社の社長さん、お客さんである某団体職員の娘さんにも同じ症状があり、私にとっては他人事ではありません。
この病は、人によって症状は様々ですよね。
一生、気づかないまま過ごされる人もいるそうですね。
上述の社長さんは、50歳を超えてから手術し、見事生還しました。
それまでは特に違和感も無かったそうなのです。
しかし、主治医の勧めで、今後の人生を考えた末に、手術室に向かいました。
さて、Sさんは若いころから人工弁を装着し生活されています。
この病は、脈が一定調子にならないですね。
「弁がそろそろへたれてきましてなぁ…」と笑いながら話されます。
そんなSさんの笑顔を拝見すれば、無病息災ではなく、一病息災ではないかと思います。
“ハンディキャップ”
それをどんなふうに受け止めるのか。
それで人生は変わっていくことをSさんの言動で実感できます。
Sさんの場合はプラスに受け止めたようです。
感情がプラスであれば、思考もプラスになり、行動もプラスになるのは至極当然です。
プラス思考のひとつは、芸術的センスを開花させました。
Sさんは、知り合った友人方に押し花の手紙を送り続けられてきたそうです。
それに好きな言葉を添えて。
その数、数百枚。
最近は、ネタが尽きてきたとのことで、絵手紙に変わったそうです。
でも、押し花よりも、絵の方が手間や時間がかかりますよね。
「はい、一枚仕上げるのに数時間はかかります。
でも、なぜか頭に次々と絵柄が浮かんでくるのです。
例えば、結婚式でしたら、新郎新婦をコアラに見立てて、可愛らしく。
そして、夫婦ですから家を。
で、どんな色で描こうか、なんてのが、どんどん頭にあふれ出てくるんです」
その幸せそうな笑顔。
余計な言葉は要りません(^^♪
プラス思考のもうひとつは「内省」にも使われたようです。
「内省」
つまり、自分に意識が回帰(ループ)していたのです。
「昔は自分のことが嫌いでしたね…
今秋結婚した息子も自分に似ていたものですから、なぜか好きになれなくて…
ケンカして冷戦も何度もありました…」
「いつの頃からか、自分を好きになろうと思ったんです。
すると、不思議なことが起こったんです。
周りの人々を好きになっている自分に気づいたんです…」
「すると、息子に対しても、変わりました。
元々自分に似ているなぁと思っていたものですから、とたんに好きになって。
こいつのためなら何が出来るかな?
何でもしてやろう。
それを、自然と思えるようになったんです…不思議ですわぁ」
人生劇場という言葉がありますね。
私はこの言葉が大好きです。
劇場ですから、役者がいます。照明や音響もいます。
スポットライトを浴びる役。脇役もいます。チョイ役もいます。
わたしたち、ひとりひとりに一回だけの「人生」という劇場。
そこには一体、何人の役者が登場するのでしょうか。
「来年、定年を迎えます。
私はなかなかモノを捨てきれない性分です。
今までに知り合った方の名刺を全て取ってあります。
四千~五千枚くらいでしょうか。
ちょうど、これくらいの(と両手で大きさを示しながら)箱に二つくらいです」
ビジネスマン人生約40年。
Sさんの人生劇場に登場した役者は約五千人。
無論、それは名刺を交わした数。
名刺交換せずに関わった人数を考えれば、その何倍にもなるでしょう。
通りすがりの通行人なんてのも入れれば、何十倍、何百倍にもなりますね。
いろんな役で以て、Sさんに関わられた人々。
仲間であったり、敵であったり。
もちろん、Sさんが、他社の人生劇場に役者として登場してもいるでしょう。
そして今年。
私の人生劇場にSさんが登場いただいことにより、新たな展開を迎えました。
あとは、無意識が知っているであろう台本に従うだけです。
役者さんたちと掛け合いを続けていけば良いのです。
しかし、意識的に、勝手に台本を書き換えて演じれば…
内的不調和を起こすことを、最近わかってきました。
つまり、
“なんか、おかしいな”っていう感じ。
このサイン、信号を感じとれる限り、私はまだ大丈夫です。
Sさんの物語をお預かりした時間。
忘年会での数時間。
帰りの電車での数十分。
それは、それぞれが歩んできた人生の時間と比せば、極々短い時間ですよね。
例えば、私が40歳。Sさんが60歳。
今まで生きてきた時間は、それぞれ約35万時間と約52万時間。
きちんと数字で表せば、
忘年会の時間 3時間。
Sさんの人生 520,000時間。
私の人生 350,000時間。
Sさんと過ごした、たった数時間。
それは、私の人生にいろんなエキスを上書きしてくださいました。
Sさんの物語は次回に続きます~
人生と時空の関係は、本当に不思議です。
さて、今回は、私から問いかけです。
あなたはどんな役で以て、周りの人々の人生に関わりたいと考えていますか?
ではまた~(^.^)/~~~
◆「誰か、作者を教えてください…」
忘年会会場にかけてあった素晴らしい絵。
人は何処かで変わらなければ、Sさんのような大円満は迎えられないですよね。
出会いの数こそ人生の経験なんだな、と思いました。
by えがみ (2010-12-25 20:09)
>えがみ様
世の中はだんだん複雑化し、拡大していますよね。
我々は元来エネルギーを持った存在です。
それを自殻に閉じ篭るのに使うのか、他者と交わり合うことに使うのか、私は後者を選びます。
by グッドバランス (2011-01-04 23:51)