SSブログ

脳と手足(1) [人材育成]

中江藤樹氏の故郷を訪ねたことから、
ほかにも日本人で素晴らしい仕事をした人たちへの
関心が広がりました。
二宮尊徳氏や山田方谷氏です。

そんな偉人たちへの思いを馳せながら
久しぶりに綴ってまいります。

大きなテーマを「脳と手足」としました。

第一回目となる小さなテーマは…

わかりやすさにはご用心

とします。

人間を機械に例えることがありますね。
例えば、自動車やコンピュータ…
彼女の処理能力は素晴らしい…
うちの社長は我社のエンジンだ…

形状が箱型であるコンピュータに比べて
自動車は各部の部品が目に見えます。
エンジンの他に、ヘッドライト、タイヤ、
ハンドル、座席シート、トランク…
いろんな機能が自動車には搭載されています。

それを組織の各部署や個人の特性に照らし合わせるのも
比喩としてはわかりやすい例です。

しかし、これらの例えで忘れがちなことがあります。
それは“動かす人”の存在です。
コンピュータは操作者、自動車は運転手。
機械は電源スイッチを入れ、操作しなければ
その機能を活用することはできません。
電源も入れずに動いていれば誤動作であり危険です。

つまり的確な時期に電源スイッチを入れ、
きちんと目的や目標を指示してこそ初めて
コンピュータや自動車はその存在価値を持ちます。
博物館の展示物という骨董的価値は別にして(笑)

人をコンピュータや自動車に例えるのは、
その機能に限定していることであり、的確な言い換え
とはいえません。

いわんや、わかりやすい例えであるが故に、
大事な事実が埋没したり、見過ごされたりします。

中国の兵法書のひとつに“三十六計”があります。
すぐれた戦略や考え方を場面別に36個挙げています。
例えとしてあげられる戦闘の記録は、一部は伝説も
あるのでしょうが、大概が史実に基づいているため
息の長い書物です。

冒頭の第一計は「瞞天過海:天を瞞き海を渡る」です。
その解説にこんな文章があります。

陰は陽の内に在り。陽の対に在らず。太陽は太陰なり。

私はこの文章を読んでハッとなりました。
物事の原因や秘密などは、いわゆる隠し場所などに
あるのではなく、みなが当たり前と思っている場所に
こそあるのだ。
それを見落とさないことが肝要であり、あるいは、
逆に使えば多くの人を欺くことができるのです。
(参考:守屋洋著 兵法三十六計 三笠書房)

わかりやすさはコミュニケーションの大事なポイントですが、
早合点には要注意ということですね。
“わかった!”と膝を叩いたとしても、ちょっと待って
何か大事なことを見落としている、または隠されている、
少し位は疑ってかかるくらいの方が良いのでしょうね。

(続く)


■宣伝コーナー■

あなたの人生は、あなたの口癖で決まる!

人見知りも治るかもしれません!

「安心した!」「救われる気持ちになった」と評判の書籍です。

2013_0422_出版しました~販売開始!.jpg

1.前に踏み出すためのロジカル思考

2.学生のためのファシリテーション入門

著者:水江 泰資 みずえ ひろよし(大阪経済大学講師)

お求めはこちらから↓
http://www.ashizaki.co.jp/

あしざき書房
〒171-0051東京都豊島区長崎2-13-10
TEL 03-3530-3356
FAX 03-3530-3317


兵法三十六計―世界が学んだ最高の”処世の知恵”(知的生きかた文庫)

兵法三十六計―世界が学んだ最高の”処世の知恵”(知的生きかた文庫)

  • 作者: 守屋 洋
  • 出版社/メーカー: 三笠書房
  • 発売日: 2004/06
  • メディア: 文庫



孫子の兵法 (知的生きかた文庫)

孫子の兵法 (知的生きかた文庫)

  • 作者: 守屋 洋
  • 出版社/メーカー: 三笠書房
  • 発売日: 1984/10
  • メディア: 文庫



nice!(2)  コメント(0)  トラックバック(0) 
共通テーマ:学問

nice! 2

コメント 0

コメントを書く

お名前:[必須]
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

トラックバック 0

この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。