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◆社員の自発性を育てる / なぜ挨拶は必要か(第100話)  [人材育成]



こんにちは~ (^.^)

先週までの酷暑はどこへやら。
今後は一雨ごとに冷え込んでまいりますね。
皆様におかれましてもどうぞご自愛ください。

さて、10月に入りますね。
4月始まりの企業の中でも人材育成の部署では、いろいろ動き始めたようです。
内定者対応、新入社員はじめ各階層のフォロー研修、次年度の研修計画。

私も日々、多くの会社を訪問していますが、担当者からお預かりする言葉。

「社員の自発性を育てたい」

本当に多いですね、この言葉。

続けて出てくるのは・・・
「最近の社員は、考えない、受け身、様子見、横を見る・・・」

うーむ、言葉通り受け止めれば、
「あなたの会社大丈夫?」って感じですね(*_*)


そもそも、自発性を育てるってどういうことでしょうか?
良く似た言葉を探してみましょう。

自発性、そうですね、自ら進んで・・・自主性・・・自主的・・・自立・・・
美味しそうな言葉が並んでいます。

では、これらの言葉に共通する概念を考えてみましょう。


自発性および類似の言葉の共通概念として私が考えるのは・・・

「情報を自ら取りに行く」

です。


それをしないことの弊害は、こんな言葉で登場します。

「・・・聴いていません」

「言ってくれれば・・・」

「そんなつもりでは・・・」

「なぜ、わたしが・・・?」

「それは、私の仕事ではありません・・・」


なぜ、これらのことが起こるのでしょうか?

それは、関係者が共有する情報の少なさゆえに生じます。

なお、詳しく言えば、共有すべき情報にはもっと重要な上位概念があります。
その会社や当該部署の理念や哲学、方針、就業規則などです。
今回は、話が広がりすぎるので、申し訳ございませんが割愛します。

お互いが「念には念を」「確認には確認を」の姿勢が“普通”であれば起こりえません。
例えば、上司、部下のやりとりでこんな会話。

A課長「あ、B君。お疲れさん。今日の営業活動の報告書、提出しておいてくれ」
B主任「はい。A課長、承知しました」

さて、あなたはどう感じますか?

A部長とB主任。
平素の業務上の経験や習慣の蓄積で、この会話はさらに省略できます。

A課長「あ、B君。お疲れさん、あれ、提出しておいてくれよ」
B主任「はい、A課長、承知しました」

まさに、長年連れ添ったご夫婦のような会話ですね。

お父さん「おい、母さん、あれ・・・」
お母さん「はいはい、新聞ですね、食卓の上にありますよ・・・」


ところが、新人にはそうはいきません。
5W2Hに基づいて、しっかり伝授する必要があります。

誰が(Who)B主任が、A課長に

いつ(When)提出期限はいつまでか?

どこで(Where)どこに提出するのか? 課長の机上か? 電子ファイル送信か?

何を(What)そもそも営業報告書とは何か。どんな内容が必要か。フォーマットは?

どのように(How)提出形態は?紙か?電子ファイルか?ホチキス止めはどうするのか? 

         紙ならばカラー、白黒どっちか? ミスコピーの裏紙を使うべきか? 

なぜ(Why)そもそもなぜ営業報告書を提出しなければならないのか?
       
      それは全体の業務の中で、どのような位置づけにあるのか?

いくらで(How Much)その作成にかける時間を、賃金に換算出来れば、なお良い。


まぁ、いろいろな“情報”がほかにもたくさんあるでしょう。

これらの“情報”が、慣れれば慣れるほど“暗黙”化されていきます。

組織の風土や文化の形成過程にも関連しますね。

その弊害もありますが、それもまた別の機会に。


さて、新人はともかく、年数が上がるにつれて、求められること。

それは、これらの“業務の成果”を効率良く達成する、生産性を高める“質問”です。

それが出来なければ、先輩方も、仕事に対する姿勢の見直しが必要な場合があるでしょう。


また、後輩の中には「先輩に聞くのが嫌だ、怖い」と思っている社員は結構いるものです。

そんな壁を乗り越えて、“お伺い”を立ててきた後輩に、

「そんなこと、言わなくてもわかってるだろ?」

「何年、うちの会社にいるんだ?」

「やる気あるの?」

そこで、“信頼”は切れます。
見事に。

実際、権威・役職と言う名で、後進を踏みつけている輩は多いものです。
自らの知識や経験の無さを悟られまいとするためにね。

無論、最近の脳科学の理屈で言えば、それを良いとも悪いとも申せません。
なぜなら、その人自身にも、自己保存する義務や権利はありますから。

しかし、企業を生き物に例えればどうでしょうか。
脳にあたる組織のトップは、こういう各部署の“癌”を見つけ出すのも重要な仕事です。

自分に情報が集まらない。自分に質問が来ない。自分に相談が来ない。
研修用語でいえば、「報・連・相」が機能していない。
それはあなたのポジション、ひいてはあなたの会社の危機を知らせる予兆です。

「社員の自発性を育てたい」

それなら、「社員が情報を自ら取りに行く」仕組みや雰囲気を作ること。

逆に、社員(後輩)からの質問に、混乱したり、逆切れしたり、無視したり、
後進を追い詰めるようなことをするなら、その方は、その職にいる資格は無いので、
退場いただくのが、会社のためでしょう。


ではまた~(^_-)





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えがみ

何年会社にいようとも、一人一人やってきた仕事は違うわけですから、場合によっては新人が知っていてベテランが知らないこともあるわけですよね。

少し調べれば分かることを、わざわざ同僚や上司に質問してその方の手を煩わせるのも問題ですが、質問し難い空気は生まれた時、会社としての寿命ですね。
by えがみ (2010-10-03 13:53) 

グッドバランス

>えがみ様
 いつもありがとうございます。仰せの通りですね。質問の度合については、本文では指摘していませんでした。助かりました!
by グッドバランス (2010-10-03 18:07) 

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