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◆なぜ挨拶は必要か 第41話  自己肯定感(028) “ほめ方” (快のマネジメント④) [人材育成]




前回までは、

1. 環境、

2. 行動、

3. 能力、

4. 価値観(信念)、

5. あなたそのもの


同じ“ほめる”言葉でも、
人の心にヒットする場所が
違うことをご理解いただけましたでしょうか。

では、この5つの場所の違いは
何を表しているのでしょうか。


とまで、やってきました。


この疑問について
考えながら、
読み進めていただければと思います。



最近、研修でも多いテーマ。


「ほめ方と叱り方」


企業なら、部下のほめ方や叱り方。

家庭なら、こどものほめ方や叱り方。

学校なら、生徒のほめ方や叱り方。


ほめると叱るには同じ前提があります。


それは・・・?


あなたと私は「違う」ということです。


価値観、振る舞い、考え方、
とにかく、どこかが違う、
という前提があります。


ほめる
の前に、
叱るを取り上げます。


上司が部下を

親が子供を叱るのは、

先生が生徒を叱るのは、

あなたのやっていることは、
私が思っていることと違う、
なぜ、あなたは私の言うとおりにしないのか?

という思いの行為です。


ここで面白いのは、
“私に言うとおり”には、
皆、同じことをしなければならない。
他人に迷惑をかけてはならない、
あなた以外の私たちは、皆同じようにやっているのだから、
という“価値観”や“意識”があります。



みんな同じ・・・

これを逸脱する者は罰せられる。

これが“叱る”です。


日本人は比較的
この傾向が強いように思えます。


「坊主憎けりゃ、袈裟まで・・・」の諺を思い出します。


みんな一緒に昼飯に行って、
「俺も同じで・・・」


痛み、我慢のマネジメント
と言われる所以です。



だからこそ、
心の底では“特別扱い”を望みます。


抑圧、鬱積された意識のはけ口です。


既得権を手放すことが難しいのは
このためです。

みんなのために・・・

会社のために・・・

家族のために・・・

そんな圧力の中で手にした“宝”を
手放すことは難しいでしょう。



では、“ほめる”はどうか?


違いを認める、ということです。


私と違うことをしたあなたは偉い。


これは、“叱る”よりも難しく、
人によっては苦行のような“行為”です。


それは、
自分の価値観を否定することに
つながるからです。


つまり、
ある価値観で
頭が固定化されている人ほど、
人をほめません。


逆に、
叱ることが多くなります。


自分との価値観の違いを
怒りで表わすのです。


それは
哀しい行為です。



例えば、
こんな例があります。

Tさんの部下が
思ってもいない好成績を挙げました。

しかし、
Tさんは部下を素直にほめませんでした。

「良い成績を挙げたけど、
 このやり方ではね・・・」

部下は
Tさんが思いもつかなかった方法で
それを達成しました。

違法行為を犯したわけでもありません。

振り返れば、Tさんは、
先輩の言う通りに
仕事を進めてきました。

だから、
特に批判もされることなく過ごし、
今の地位を得ていました。

今回、
部下は優秀な成績を挙げたが、
それはTさんの価値観である
“部下は上司の指示通りの
 仕事のやりかたをすべきだ”
から大きく逸脱していていました。

はたして、
あなたがTさんの上司であれば、
どのような処置をとりますか?

実は、この例のようなことは
往々にして発生しており、
企業の衰退の原因であることに
気づいてほしいと思います。

家庭、学校、企業、
それぞれの共同体には
ある程度の共通した価値観は必要です。

それが、
家族らしさ、企業文化、風土、ルール、規定、法律
などと言われるものです。


しかし、
それがあまりに行き過ぎ、
新しい価値観を否定しだすようになると、
それはその共同体を滅ぼしはじめます。


冒頭に挙げた
“ほめる部分の5つの違い”は、
あなたが相手からどう思われているのかを
的確に知ることのできる指標なのです。



思い返してください。

あなたは、
今まで、学校や家庭や職場やその他で、
どのように、ほめられてきましたか。

ほめられた時・・・

あぁ、今、自分は認められたんだ!
と思いましたか?

それとも、
ほめ言葉はもらったけど、実感が無いなぁと
思いましたか?


あなたが
自分を欺かず、
信念を貫き
やりきったとしても、
それでも相手がほめない場合、
それはあなたが悪いわけでは決してありません。
相手が悪いわけでもありません。


ただ、お互いの“違い”を認めない
凝り固まった“価値観”があり、
それは天寿を全うできないサインなのです。


それは個人でも、家族でも、会社でも、学校でも、一緒です。


どこかで、無念の崩壊を起こします。


続きます~



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えがみ

考えさせられる問題ですね。
褒めるも叱るも紙一重なのですね。

by えがみ (2010-01-21 17:40) 

グッドバランス

>えがみ様

 コメントありがとうございます。
 その紙一重の差が、とても大きいと思います。

 最近、“ほめあい”サイトが
 流行っているそうです。
 気持ちは理解できます。

 万民が右肩上がりの時代を終え、
 格差社会が進み、未来が見えない現実を生きるとき、
 痛みのマネジメントでは自殺率も高まるしかありません。

 本当に喫緊の課題だと思います。
 
by グッドバランス (2010-01-22 11:51) 

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