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◆なぜ挨拶は必要か(第36話)  自己肯定感(23) 豚にたかる虱 [人材育成]




友人から
メールをもらいました。


出張先からです。


当人の承諾も得ましたので
紹介します。

***

久しぶりに
会社の近くの
カメラ屋さんに
行ったら寂れてる…

潰れたんかと…

たしかに
こんだけデジカメが
普及したらフィルム現像する人は
減ったやろからなあ…。

しかも
デジカメプリントやのに
2時間後って…

そりゃ寂れるなぁ…

ショッピングセンターの店なら
20~30分やもんなあ。

証明書の写真なら
箱で自動販売機?
があるしなあ。

わずか数年間で
デジカメ普及したからなあ。

ホンマにどんな業界でも
どないなるかワカランのぅ…

***


以上です。

今、本記事で
取り上げている話題に
ぴったりなので
取り上げました。


前回、
人は生きていく上で、
何らかの集団に属しますが、
その中でどんな生き方をするかが
“鍵”のような気がします。

という話をしました。


自分が置かれた状況に
疑問を抱かない生き方が
結果として身を滅ぼす。


中国古典では、
3つの例を挙げています。


ひとつめは・・・
集団は、
その人を守りますが、
その庇護の中で、
本来の自分の役割や使命、
誰のために
自分が仕事をしているのかを
気づかないまま年月が過ぎる。


つまり、
安穏とした心持で、
その環境に安住する姿です。


そして、ある日、
思いもしなかった
出来事に遭遇する・・・


そんな時、
その人は無力です。


集団そのものさえ
崩壊させることもあります。



ふたつめは
表面だけを
取り繕っている姿です。


人に言われたことを
素直に実行する。


それは一面では
良いことですよね。


しかし、
その本質を捉えないまま、
人の言うことに従うだけ・・・


例えば、
会社組織などで、
上司の指示に
素直に従う社員。


その行動が、
顧客の信用を失いかねない
事態を引き起こすこともあるでしょう。


昨今の食品偽装などは
その典型ですね。


みっつ目は、
目の前のことにだけ
囚われ続ける姿です。


これは、忙しさを自慢する人、
一つのことしか出来ない人
が陥りやすい状況です。


この三つの姿に共通するのは・・・


疑問を持たないこと。

そして・・・

既存の価値観に囚われ、
かえって自分自身を
がんじがらめにしていること。


変わらない、
と思っていたものが
変化する時代になっています。


生き残るのは
誰かと言えば、
強い者でも、
速い者でも、
大きい者でもありません。


柔軟に環境に適応した者だけが
生き残ります。



今回、
友人が経験した“感覚”
はまさしく、
一番目の例でしょう。


荘子では
“豚にたかる虱”
と比喩されています。


豚の体に安住していた虱。


その豚が
丸焼きになって初めて
虱は己が運命を知る。


私も写真趣味が長いですから、
友人の“感覚”が理解できます。


もうひとつ、
フィルム写真を崩壊させたのは、
写真業界自身ではないか
とも思っています。


みなさんは
フィルムを写真屋さんに出して、
後日出来上がったプリントを見て
愕然とした体験はありませんか?

え? 

こんなはずじゃ?

やっぱりカメラが悪いのか?

自分の腕が悪いのか?

確かに、
レンズ描写などのハード面、
テクニックなどのソフト面はあるでしょう。


しかし、あなたのフィルムが
どのように処理されているか
ご存知でしたか?


私は今だにフィルムを使用します。


そして、現像やプリントは
東京のある写真店に送ります。


なぜ、そんな手間をかけるのか。


それはこんな経験があるからです。


近所のラボで処理したネガを、
その店で再焼きしてもらった時、
プリントの差に愕然としたのです。


私は身びいきもあるかも、
と思いました。


そこで、
同じ写真趣味を有する父に
この話をして、父のネガを
送ってもらいました。


そして、
その店でプリントしてもらい、
父に送りました。


電話の向こうで、
父も驚きの声を
上げていました。


私は確信を抱きました。


結局、
写真業界の品質の低下が
自らの崩壊を招いたのです。


もちろん、
デジタル化の波も
後押ししたでしょう。


しかし、同様のことは、
この後、多くの業界で
枚挙に暇が無くなるでしょう。


今、自分がいるところに
安穏するに留まらず、
サービスや品質の低下まで
行ってしまう。


その行きつく先に
“疑問”を持たないことの
愚かさ。


続きます~

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えがみ

昔、MicrosoftがVisualStudioというソフトウェアで「環境に対応できない種は滅びる。歴史がそれを証明している。」という宣伝文句を謳っていました。
今回は種が勝手に滅びたということでしょうか。
未来の人類はこうはなってほしくないものですね。

by えがみ (2009-12-19 23:32) 

グッドバランス

>えがみさま

 ご示唆ありがとうございます!

 なるほど、Microsoftでありましたか。

 不思議なのは、映画「2012」などのように、
 自虐的なストーリーを展開することです。

 人には“破滅”願望があるのでしょうか(笑)?
by グッドバランス (2009-12-20 21:34) 

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