◆私の愛するカメラ(第9話) バブルの最後に咲いた花 [カメラ 写真]
1985年。
この年は
カメラファンの方々には
強烈な記憶が
ありませんか。
“αショック”
四半世紀も前の
出来事です。
当時の高級機、
ニコン、キヤノンを
はるかに
追い越してしまった
歴史的カメラ。
ミノルタα7000が
登場した年です。
それまでカメラに興味の
無かった人をも巻き込んで、
社会現象にさえなりました。
あからさまな
プラスチックのボディ。
操作の確認は液晶パネル。
それ以降、カメラは
家電製品と同じ扱いに
なっていきました。
“ミノルタ”
この冠をつけたカメラは
現在市場にはありません。
1928年(昭和3年)創業。
数々の名機を
生み出してきた
素晴らしいメーカー。
生産工場が
関西の堺にあり、、
私はとても好感を
持っていました。
いくつかの
ミノルタ製カメラを
使ってきました。
今回紹介するのは
ミノルタα9xiです。
発売は1992年。
α7000から
第3世代目の
最上位機種です。
当時は
バブルの崩壊が
ささやき始められた頃でした。
本機は、
バブルの最後に咲いた花、
というイメージを持っています。
後年登場する“α9”を
ミノルタ一眼レフの
集大成に喩えれば、
α9xiは
ミノルタが目指した
自動化やスピード化の
高機能化の頂点に
喩えることができませんか。
事実、
α9xi以降はいわゆる
“おりこうさん”が多い
ような気がします。
もちろん
名機ぞろいなのですが。
707siとか
507siは良いカメラです。
突っ張ったところがありません。
α9xiの時代は、
まだ一眼レフカメラが
ある種のステイタスを
持っていた時期だと思います。
ニコンならF4、
キヤノンならEOS-1、
京セラはコンタックスRTSⅢでしたね。
忍び寄る景気後退、
そしてデジタルカメラの足音は
まだ現実として捉えられていませんでした。
久しぶりにα9xiの
グリップを握ってみました。
もうこんな贅沢なカメラは
出てこないだろうな。
ちょっと寂しくなりました。
ではまた~
◆ 今日の一冊 ◆
石元泰博
日本の写真家26(岩波書店)
日本を代表する写真家のひとり、
石本泰博氏の代表作の作品集。
ある雑誌で述べておられましたが、
シカゴ時代、ミノルタの創業者
田嶋社長が援助していたとのことです。
企業人にもロマンがあったことを
今更ながら感慨深く思います。
トプコンといいコーワといい技術力は依然として高いんですが、ミノルタ(コニカミノルタ)も業務用光学機器メーカーになってしまいましたね。
ちょっと寂しい感じもします。
by えがみ (2009-11-22 22:39)
おお、そうですよね!
トプコン、コーワ、
そして、かろうじてマミヤ(失礼!)。
いつまでも“カメラメーカー”
としてのイメージを残してほしいです。
by グッドバランス (2009-11-23 19:18)