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◆なぜ挨拶は必要か(第18話) 自己肯定感⑤ コーチングって? [人材育成]




前回は、
コーチングは、
クライアントの目的に添って、
その力を“自然に”
引き出していくアプローチです。


コーチは英語の
馬車ですよね。


馬が走ろうとする力を
制限せず、うまく
誘導することを意味します。

ここで、蛇足ですが
“コーチング”
の反対語は何でしょうか?

とまでやってきました。



コーチングの反対語は、
カウンセリングです。


フロイトやユングといった
精神分析などを
イメージしてください。


何が反対なのか?


それは、クライアントへの接し方です。


コーチングは
未来を模索します。


カウンセリングは
過去を模索します。


言い換えれば、
ある問題に対して、


コーチングは、
どうすれば(今後は)
このようにならないか? 
と、方法を探ります。


カウンセリングは、
(以前)なぜこうなったのか? 
と、原因を探ります。


ところで、私は、
このふたつの言葉は
反対だけれども、
全く正反対の方向に
行きっぱなしではなく、
最後は同じところに
結実すると思っています。


メビウスの輪のイメージです。


さて、みなさんの中で、
コーチングが有効に機能しない、
と感じる方はいらっしゃいませんか。


例えば、
コーチングや、
コーチングの要諦と言われるNLP
(神経言語プログラミング)の
セミナーを受講し、
効果があったように感じたけれども、
しばらくすると元の状態に戻ってしまった、


そして、
再受講するに至った・・・


そして、
似たようなセミナーを
次々と受講するようになり、


そのうち、
受講し続けないと
落ち着かなくなった・・・


言い方は悪いのですが、
研修マニアみたいな状態・・・


セミナー会社の
鴨のような状態・・・


なんていう経験は
ありませんか。


なぜ、
そのような事態に
陥るのでしょうか。


事態が一歩も
前進していないどころか、
本来の目的から大きく
逸脱していますよね。


それは
何が原因でしょうか。


コーチングやNLPは
どうすれば上手く
機能するでしょうか。


私は、
ちょっと極論ですが、
次のような方には
有効だと思います。


過去において、
何の失敗や悔やみも無く、
ただ漠然と生きてきて、

強いて言えば、
自分が何をしたらよいか
わからない、

なんとなく
自信が無い、

といった人。


しかし、
私も同じような
セミナーを受講し、

または立場が変わって、
セミナーの事務局を
多数運営してきた中で
接してきた人々は、
そういうモラトリアムから
脱却できない人よりは、
明らかに何らかの心の傷を
負ってきた人が
多かったです。


特に、
親子、兄弟との関係、
学校、友人との関係で、
何らかの“傷”を追った人々。


余談ですが“心の傷”って、
人間関係以外に
どんなものがあるのでしょうか。


借金、天災とか・・・


でも今は人間関係を扱います。


そして、
私は彼らに
共感を覚えます。


その人たちに
“あなたの目的はなんですか”
とか
“あなたの夢は”
とか、
セオリーどおりに
コーチングを行うことの
無意味さ、危険さを
声を大にして言いたいと
思っています。


なぜならば、私は
そのようなコーチングを行う人の
暗黙の前提に、
次のような対比の図式を
持っていることを感じるからです。


過去 = ネガティブ、消したいもの、マイナスイメージ


未来 = ポジティブ、創っていくもの、プラスイメージ


そして、
過去をリフレーム、
つまり、
見方を変えることで、
ポジティブイメージとして認識することで、
未来に向かって進んでいこうと・・・


でも、
本当にそんな簡単に
見方を変えることが
出来るでしょうか。


人生において
“致命的な失敗や
 被害を被っている”
と本人が思っている場合、


「その辛い体験も、
 今の自分にたどり着くための
 糧になるんですよ」と
周りから言われても、
慰めにもなりません。


私は、
コーチングやNLPが
機能しない場合の原因は、
その人の過去を
直視しないことにあると思います。


どんなに辛いこと、汚いこと、
捨て去りたいことであっても、
一旦どっぷりとそれに浸かって、
それを直視する過程を経なければ、
それがどんな意味を持つのかを考えたり、
という内省行動を経ない限りは、
コーチングやNLPは絶対に機能しません。


断言します。


人のよっては、
そういう内省行動を経ずに、
平然とそのまま進む人もいます。


私の周りにもいます。


しかし、
根本が解決されていないせいか、
同じ過ちを繰り返します。


それを理解できずに、
クライアントの悩みに対して、
“そういうことってありますよね”
“みんな同じ体験をしますよ”
なんていう
決まり文句の戯言で接するコーチ
なんていうのは
言葉は悪いですが
インチキだと思っています。


お金の無駄だと思っています。


コーチングやNLPが上手く機能するには、
一度、過去に立ち返るべきだと思います。


辛い過去に対峙し、
克服できた時、
人は初めて
未来に向かうことが出来ます。


それが、カウンセリングとコーチングが、
アプローチが違うだけで、実は同じ行き先に
向かっているという私の仮説の説明です。

(続く)


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死刑囚の記録 (中公新書 (565))

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