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◆私の愛するカメラ(第13話) 究極のエコなのに・・・  [カメラ 写真]




ユーザーの声


これは企業の存続に
不可欠な要素です。


ちなみに、
ユーザーとは、
最終消費者だけ
ではありません。


IMG_2676.JPG


材料から製品に
なっていく過程で、
多くの手を経ますが、
自分の手から、
次の手に渡れば
それはユーザーです。


今回取り上げたカメラは、
キヤノン オートボーイSE。


IMG_2677.JPG


電池要らずの
エコカメラです。


1995年の発売。


ご存じない方も
多いのではないでしょうか。


非常に短命です。


売れたとも思えません。


IMG_2660.JPG


電池が無ければ、
ただの箱。


電子化が進むにつれて、
ユーザーが非常に
恐れたことでした。


いざという時に、
使えない・・・


オートボーイSEは、
地球上のあらゆるところで、
太陽光を充電すれば
撮影可能です。

IMG_2675.JPG


オレンジ色の
シャッターボタン。


その下が
セルフタイマーボタン。


IMG_2673.JPG


バッテリーチェッカーも装備。


赤いボタンを押すと・・・


IMG_2672.JPG


電池残量が
表示されます。


この表示は
“半分”
を示しています。


IMG_2678.JPG

IMG_2679.JPG


充電時には、
パネルを斜めに
傾斜させる工夫も!


さぁ、
みなさんも
いかがですか?


究極のエコカメラ!

IMG_2662.JPG



さて、
前回(第12話)の続きです。


こんな言葉を
残した人がいます。


★ もし、私が客に、
  彼らの望むものを聞いていたら、
  彼らは「もっと速い馬が欲しい」
  と答えていただろう。


ご存知の方も
多いと思います。

自動車王
ヘンリー フォード氏
の言葉です。


この言葉は、
フォード氏は
お客の意見を聴かずに、
自分独自のアイデアで勝負した・・・
ではないですよね。


お客の声を
“そのまま”聴くことへの
危険さを象徴した言葉です。


フォード氏は
お客の言葉の
「本質(本音)」を
見抜いたのです。


お客は「馬」が欲しいのではない。


速くて快適な「移動手段」が欲しいのだ。



子どもが「おなかが痛い」と言った。


親は慌てて、
病院へ連れて行ったが、
腹痛は治らない。


いろんな病院を駆け回って、
治療費もじゃんじゃん使ったけれど、
一向に病状は良くならない。


ある時、
子供をやさしく抱っこしてあげると、
腹痛は無くなった・・・


腹痛は、
愛情欲しさのメッセージであった・・・



この親に対して
「馬鹿じゃないの?」
と言う資格が我々にあるでしょうか。


企業も同じことをしていませんかね?


フォード氏も世が世なら、
牧場主の一生だったかもしれませんね。


一生懸命、「早く走る馬」の開発に精魂傾けて。



ユーザーを集めて、
その声を商品化することで
利益が挙がるなら、
多くの企業は
その手法を採用するでしょう。


でも、上手くいかないのです。


ユーザーは
最終的な答えを
有していません。


答えを出すのは、
あくまで作り手です。


そこに
創意工夫の
面白さがあるわけです。


そして・・・


その面白さを
具現化する重要な要素が
「コミュニケーション」なのです。


身内褒めで恐縮ですが、
私の師匠Y先生が
企業や団体の研修に
ひっぱりだこなのも、

コミュニケーションの
基本を体得しているからだと
改めて実感します。


眼の前の相手が
いろいろ言っているが、
果たして、その本音は?


それを見抜く、
聴きとる、
感じ取る、
それを出来る人が
生き残るのです。



同時代のカメラである
「リコーGR1」と
比べてみましょう。


IMG_2715.JPG


大きさは“ほぼ”同じですが、

この厚み。


IMG_2716.JPG


そして、撮影状態のスタイル。


IMG_2717.JPG


正直、
みなさんの印象は
いかがでしょうか?


私なら否応なしに
GR1を選びます。


では、なぜ、
お前はこのカメラを
愛するカメラとして
取り上げたのか?


尤もな質問です。


それは“開発思想”が
好きだからです。


でも、
それは少数意見ですよね。


**だから●●が好き。

その**に入る言葉が
明瞭であればある程、
ユーザーのフルイに
かけられます。


四の五の言わずに、
これがいい!


そうして
選んでもらえる
商品は幸せですね。


結局、
その後キヤノンから、
思想を継続したカメラは
発売されませんでした。


「エコ」と「スタイル」の両立が
まだ成されなかったようです。


ライカM5にも
同じことが言えます。


私がM5を好きな理由は、
高性能で単純明快な
露出計があるからです。


人によっては、
「大きなボディだから
ゆったり構えられる」
など仰いますが、

私は
「本当かい?」
と思います。


携帯性を考えても、
小型軽量が有利です。


ライカM5の話でも述べましたが、
私はライカM2のボディに
M5の露出計が入ることが望みです。


実際、
“露出計の無いM5”って使う気になれます?


ユニクロの柳井氏の言葉ですが、

なぜ高収益を上げ続けられるのか、
という質問に対して、

「自分が売りたいものではなく、
 お客が買いたいものを作っている」

と述べておられます。


まさに至言だと思います。


ではまた~

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神戸人けんちゃん

そうそうデジカメも電池なかったらプラスッチクの塊。(^^ゞ

おいらは「現場監督」好きやった。 雑に扱って平気で頑丈なカメラやったなあ。

デジカメになってからアカンなったけど。

いまはフジの現場用デジカメ愛用。
by 神戸人けんちゃん (2009-12-03 19:46) 

えがみ

こ、これは…。初めて見ます…。
同時に売れない理由も分かったような気がします。
企画には敬意を表したいのですが。

電池切れは予備を用意しない撮影者の責任だから、妥協しても構いません。
が、最近のデジタルカメラは新機種の度に形状の異なる専用バッテリーにしてしまうので、型落ちはそれこそどうにもならなくなってしまいます。
辛うじてRicohが単四、Pentaxが単三電池対応のカメラを出している位で…



by えがみ (2009-12-03 20:31) 

グッドバランス

>神戸人けんちゃんさま

 譲っていただいたコニカ現場監督
 
 ときどき使ってるよ!

 ありがとう!

 デジカメは不案内だけど、
 同じ思想のモノが
 継承されてるんだね。
by グッドバランス (2009-12-03 21:55) 

グッドバランス

>えがみさま

おっしゃる通りですね。
機種変更によるバッテリー形状変更。
辟易します。

実際、製造業における
「エコ」ってなんでしょうかね。

製造し、在庫を抱える時点で、
エコなんて吹っ飛んでる気がします。

我が家にも引き取り手の無い
初期のデジカメが数台ありますが、
本当に哀れですね。
by グッドバランス (2009-12-03 22:01) 

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