SSブログ

◆なぜ挨拶は必要か(第12話)  気⑨  [人材育成]




先に書いたように、

異常に人なつっこい人、
異常に人との距離を取る人は、
根っこが不安定な場合が
多いです。


それは気質の陰と陽
の表れ方が違うだけで、
本質は同じです。


成長過程で安心感を
充分に与えられないまま
育ってしまったのです。


安心や安全が
欠乏欲求であるということは、
それは人として生きる上で、
必ず満たされる必要があることを
意味します。


宗教は、
生きること
そのものが苦しい時代、
つまり出生率の低さや、
厳しい自然環境の中で
生まれたものです。


生命依存さえ
危ぶまれる環境の中で
生きてきた人々の
心の支え、灯火となった
概念です。


新型インフルなど
新しい病の問題はありますが、
従来は死の病といわれた
伝染病なども
多くが克服され、
生命の維持は
格段に進歩しています。


しかし、
この文化・文明の
時代になりながらも、
あやしげな新興宗教や
悪徳商法に大切な財産や
生命までをあっけなく
取られてしまうのは
なぜでしょうか。


そんなうまい話は無い、
とは後になって、
落ち着いて考えれば
わかります。


しかし、
心が落ち着かないのです。


限りなき欲望は、
心の何処かが
欠乏していることの
証拠です。


それを埋めるために
注力するようになります。


折角、
社会的地位や財産を得ながらも、
悪い人にだまされたりするのは、
隙間を知られているのです。


悪い人は
すんなりとその隙間に
入ってくるのです。


つかの間の安心感に
満たされた瞬間、
無防備にされて
身包みをはがされていくのです。


ただ、それは
自分では止める事は
難しいです。


家族や友人、同僚などが
ストッパー役になるはずですが、
本人の心は違うところにあるので、
聞く耳を持ちません。


そして、
転落の人生が始まります。


芸能人などが
起こす不祥事も、
心の欠乏につけこまれることが
多いのではないでしょうか。


大事なのは、
足るを知る、
ということなのです。


根っこが不安定な人は
“足る”
という感覚を
体験していないので
わかりません。


遅刻する人の原因を
掘り下げていけば、
どこかに心の欠乏感が
あると思います。


人は
未来に向かって
生きる生物です。


自分は
こうなりたい、
こうなりたくはない、
と未来を意識することが出来ます。


ところが、
遅刻する人の
未来志向は、
非常に短視眼的なのです。


目先のことしか
考えていません。


遅刻をすることで失う
信用や機会の重要さを
理解していません。


安心感や安定感を失う
理由は様々でしょうが、
結局は「寝る」ことで
現実逃避します。


今のままでいたいのですが
“今のまま”というのは
ありえません。


生物には
寿命があります。


それは、
徐々に衰えていくことを
意味します。


でなければ、
鉱物などの無機物と
一緒です。


生命が
ありません。


でも、
今のまま、
出来れば過去に戻りたいから、
今の「寝る」という行動に
しがみつくのです。


動きたくないのです。


職場に顔を出すことで、
同僚と触れ合うことで、
自分の未来がつながっていれば、

さっさと起きて、
ワクワク、
ウキウキ、

今日はどんな出会いがあるだろうか、
どんな良いことがあるだろうか、

というポジティブな気持ちで
出勤していくことでしょう。


人生を歩む上で、
大きな目標や夢を持つことが、
非常に重要なのです。


あなたが、無意識に
どのような価値観を
持っているかで
人生は決まります。


安心や安全、所属の欲求が
満たされていないと、
その上位の欲求は
正常に満たされません。


歪んだ形で、
設定されてしまいます。


反社会的
または逸脱的な行動に
走ることもあります。



◆ 今日の一冊 ◆

プールサイド小景 

庄野潤三


私はこの作品が大好きで、
時折読み返します。

そのたびに
新しい感動を
もらいます。

人生の断片を
素晴らしく
切り取って
描いた作品です。

そもそも人生とは
断片、かけらの
集まりなのではないか。

そこに意味やつながりを
求めるからかえって
苦しくなるのではないか。

この作品が発表されたのが
昭和29年です。

失われない新鮮さを
ぜひ味わっていただきたいと
思います。

プールサイド小景・静物 (新潮文庫)

プールサイド小景・静物 (新潮文庫)

  • 作者: 庄野 潤三
  • 出版社/メーカー: 新潮社
  • 発売日: 1965/02
  • メディア: 文庫



nice!(0)  コメント(0)  トラックバック(0) 
共通テーマ:学問

nice! 0

コメント 0

コメントを書く

お名前:[必須]
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

トラックバック 0

この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。