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◆なぜ挨拶は必要か(第17話) 自己肯定感④ “閾値” [人材育成]



さて、
行動習慣を変えるには、
個人生活における場合と、
企業や団体といった
集団生活の場合では、
そのアプローチは
大きく違ってきます。


では、まずは、
個人生活における場合を
取り上げてみましょう。


皆さんは
“閾値(いきち)”
という言葉をご存じでしょうか。


物理学では
“臨界点(りんかいてん)”
といわれます。


Y先生も私も、
これを学生時代に
知っておけばなぁ・・・

と、
いつも酒の肴にする
話題なのです。


皆さんの周りに
英語や第二外国語が
堪能な方は
いらっしゃいませんか?


機会があったら、
その方々に、
いつから学習をはじめて、
いつからそれほど
上手に会話が
出来るようになったのか
伺ってみてください。


私も数人に
聞きましたが、
そのほとんどが、


“うーん? 
 いつのまにか、
 かな”


というお答えでした。


そして、
こんなことも
言いました。


“ある日、
 突然、
 聴き取れるように
 なったんだよ。

 目の前で喋っている
 おじさんの声が
 ストレートに
 自分の脳に
 飛び込んできたんだよ”


言い方はそれぞれでしたが、
共通しているのは、

‘ある日突然’

ということでした。


これは一体
どういうことでしょうか。


つまり、
語学の学習を始めてから、
今日は単語をいくつ、
明日は関係代名詞と、
やりかたはいろいろ
あるでしょうが、
勉強を続けますよね。


そこで、
認識として重要なのは、


“今日の努力が、
 今日、
 すぐに
 結果として
 出てこない”

ということなのです。


たくさん単語を覚えた、
文法も暗記した・・・


なのに
いつまでたっても
喋られない、

彼らの
言っていることが
聴き取れない・・・

大概は
この“無力感”“
によって、
あきらめてしまいます。


意識が
そうしてしまうのです。


やっぱり、
俺(私)はダメなんだ・・・


しかし、
脳には、
あなたが努力した分の成果は
ちゃんと蓄積されているのです。


ダムの決壊の例が
わかりやすいでしょうか?


針の穴ほどの漏れが
ちょっとずつ続きます。


ずっと、

ずっと続きます。


誰も気が付かないほど、
ちょろちょろと流れています。


ひび割れも、
よく見ればあるかな? 


という程度ですから、
大抵の人は気付きません。


ちょろちょろと
漏れは続いています・・・


そして、
とうとうある日、

だぁぁぁぁぁぁぁぁ

と決壊します。


溢れます。


その勢いは
誰にも止められません。


覆水盆に帰らず。


もう、
違う景色になっています。


これが
“閾値”“臨界点”を
超えることです。


物理学に
いそしんでいらっしゃる方なら、
ご理解いただけるのではないでしょうか。


★努力したから、すぐ成果ではない


≪ 閾 値 ≫ に至って、そこまでの努力の分だけ一気に向上する。
  

酵素・触媒の反応・作用が一気に進む点(濃度・温度) 


物理学では臨界点

これを知っていれば、
学生時代の受験勉強、
もっと耐えられたのになぁ・・・


と今日も
Y先生とボヤくのです(笑)。


個人の行動習慣を変えるには
あなた自身の“閾値”を
知ることが肝要です。


とは言うものの、
閾値は自分では
意識できません。


ですから、
行動習慣を変えるには、
信頼に足る“付き添い”の
存在が不可欠なのです。


あなたが閾値に
どれくらい近づいているのか、

あなたの日々の振舞い、
考え方、
表情、
仕草、
発言、
そんな断片の中に、
あなたが閾値を
いつ突破できるのかを
知っている人が
あなたのそばにはいますか?


いわゆる
“よく出来たお父さん、お母さん”
というのは、
こどもの“閾値”を
感覚的に掴んでいる人
なのではないかと思います。


見守るべき時期、
介入しなければならない時期、
それらの場面で
的確に行動できること、
そんな父親に
私もなりたいと思っていますが・・・

なかなかですねぇ・・・

コホン(咳)


さて、
“閾値”の概念が有用なのは、
10年ほど前から流行っている
“コーチング”の場面においてです。


コーチングは、
クライアントの目的に添って、
その力を“自然に”引き出していく
アプローチです。


コーチは
英語の馬車ですよね。


馬が走ろうとする力を
制限せず、うまく誘導する
ことを意味します。


ここで、蛇足ですが
“コーチング”の
反対語は何でしょうか?


なお、
本ブログはこんな感じで
脱線しつづけますが、
必ず本線に戻りますので、
呆れずにお付合いの程、
よろしくお願いします!


(続く)



◆今日の一冊 ◆ 

リーダーシップの旅 見えないものを見る

野田智義 金井壽宏 共著


Y先生お勧めの一冊です。

現在のリーダーシップ研究の
代表者のおふたりが対話形式で
その本質に迫ります。

いわゆる
“後付け”説明的リーダーシップに
辟易していた人には目から鱗の一冊。

なお、この本を読んで“勢い”がついても
私は責任取りませんよ(笑)

リーダーシップの旅  見えないものを見る (光文社新書)

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