◆ 今日のあっくん（第３話） トヨタ３年分ください。うん？ なにそれ？ その１

ここで話を戻します。

今回、なぜ、あっくんが
トヨタ自動車の販売展示場に
「帰ろう」と言ったのでしょうか。

そもそもは、
９月の大型連休に
何処かに行きたいね、
という会話から始まりました。

我が家では今年の夏休みは、
神戸にある私の実家に
帰省する予定でした。

夏休みに入る前に、
父が定期健診でガンが見つかり、
入院することになりました。

父は勤め人を定年退職後、
家業を継ぎ、有意義に
自営業を営んでおりました。

ただ、自営業のため、
入院のために休むタイミングが
なかなか定まらず
我々にとっては、
結局、遠出の無い夏休みに
なってしまいました。

このままでは
物足りない、
面白くないねぇ
という日々が続きました。

幸い父のガンは初期症状で、
術後の経過も良好とのことでした。

父の退院に見通しがつき、
それならば、お見舞いを
兼ねて９月に行こう
という話が出ました。


現在、
我が家にはクルマはありません。

昨年の五月までありました。

かっこいいミニバンでした。

でも私はあまり乗っていませんでした。

家の前がバス停で、
電車の駅にも比較的近く、
私は電車通勤していました。

妻が比較的クルマを
よく使っていました。

しかし、
あっくんが生まれてからは、
長時間のドライブは難しくなり、
加えて、
燃費の悪さが気になりだすなど、
いろんな条件が重なるにつれて、
クルマの出番はだんだん
少なくなっていきました。

そして、
昨年の燃料代の高騰騒ぎで、
とうとう手放す決断をしました。

クルマの無い生活がはじまり、
一年が過ぎ、そしてさらに
過ぎようとしていました。

何かと不便を感じながらも、
しょうがないなと過ごしてきました。


私は、
９月の大型連休での移動は、
新幹線で行こうと思っていました。

レールスターのコンパートメント席が
取れたらいいな、などと考えていました。

私たちの家は福岡にあり、
実家のある神戸までは
７００キロ離れています。

あっくんが
新幹線にハマっていることも
大きな理由でした。

あっくんは、今は、
クルマよりも電車が好きなようです。

プラレールが
お気に入りのおもちゃです。






博多駅の新幹線ホームに
よく見学に行きます。

しかし、
実際に乗ることはありませんから、
これはチャンスと思ったのです。





あっくんも、
新幹線に乗れるという話を聴いて、
とても嬉しそうでした。

「神戸のばぁばのところへ、
　新幹線で行くの」

と、保育園でも
先生やお友達に
話していたそうです。

ところが、
ある日、
妻が言いました。


やっぱり、クルマって
あったほうが便利じゃないかな。

クルマを手放してからを
振り返って感じたことは、

行動範囲がだんだん狭くなって、
しかも、
それに慣れてしまっているのではないかしら。

ちょっと良くない傾向だと思う・・・　



私はその言葉を聴いて、
ぎょっとなりました。


たしかに、
生物はその能力に応じて
活動範囲が決まる、
といいます。


人間はすでに
宇宙にまで飛び出しました。


そして、
他の星に普通に行き来する時代は
必ずやってくるでしょう。


生物の優劣ではなく、
それが人間の可能性だと思います。


先日、
ある心理学実験を題材にした映画の
DVDソフト「es」をご紹介しました。


まさにそれと同じだと思いました。


自動車の無い生活は、
当初の不便さから、
日が経つに連れて、
その不便さを感じなくなる。


そして、
自動車の無い生活を基準に、
生活を営むようになる・・・


行動範囲は
確実に狭まっていく・・・


これに気がついたのが、
妻でした。


妻は自動車好きではないのですが、
以前は仕事で使っていました。


その足で
買い物や遠出も
楽しんでいました。


心の何処かで、
クルマがあることの
便利さを実感していたのだ
と思います。

（続く）


◆今日の一冊◆

きゅうりさんあぶないよ　

スズキコージ作　

福音館書店


あっくんのお気に入りの一冊です。

私がスズキコージ氏の作品が好きで、
ついつい与えてしまいます。

シュールですよねぇ・・・

きゅうりさんあぶないよ (幼児絵本シリーズ)

• 作者: スズキ コージ
• 出版社/メーカー: 福音館書店
• 発売日: 1998/11/10
• メディア: ハードカバー

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